香川大学医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科

患者さん、一般の方々

ごあいさつ

~耳鼻咽喉科・頭頸部外科ってどんな診療科?~

耳鼻咽喉科は、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚のうち視覚を除いた四つの感覚に深くかかわっている診療科です。触覚は顔面、頚部の知覚、咽喉頭の感覚とも関係しますし、視覚は直接的な関わりこそないものの、鼻副鼻腔の疾患が視覚に影響を及ぼすこともあり、耳鼻咽喉科にかかることで失明を免れたということもあります。その他、しゃべったり、歌ったリ、食べ物を味わったり飲み込んだり、花の香りを楽しんだりと、ひとがひとらしく生きる上でもっとも基本的かつ重要な機能を扱っています。私たち耳鼻咽喉科医は「感覚器のエキスパート」であるといっても過言ではありません。

また、私たちは頭頸部外科医として顔面、口腔、咽喉頭、頚部の手術も手掛けており、頭頸部腫瘍・がん治療のエキスパートとしての側面もあわせ持っています。狭い範囲に様々な機能を持った器官が密集し、疾患も多種多様で治療法も内科的・外科的治療ともにバリエーションが極めて多いことが特徴です。

 

~初心を忘れず、しかし変化を恐れず~

近年、検査・治療機器の進歩、新規薬剤の登場など、医療の世界は目覚ましい発展を遂げていますが、新しい治療法の正当性や妥当性が十分に検証されないままに、前のめりになっている感もあります。当科ではエビデンス(十分な根拠)に基づいた治療を実践するとともに、患者さん個々の状況に応じた、きめ細やかな治療法の提案と実践を心掛けていきます。同じ病気であっても、若い方とご高齢の方では求めるゴールも異なってきます。あるいは世間でもてはやされている治療法が、すべての方にとって最もよい治療法とは限りません。

自分の目の前に座っている方にとって何が最善か、その方と、その周囲にいる人たちが何を望まれているのか、「五感」を研ぎ澄まして診療にあたっていきます。