香川大学医学部 耳鼻咽喉科・頭頸部外科

医学生・研修医の方々

医学生・研修医の方々へ For Students and Residents

耳鼻咽喉科・頭頸部外科の特徴

 

耳鼻咽喉科は、五感、すなわち視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚のうち視覚を除いた四つの感覚に深くかかわっている診療科です。触覚は顔面、頚部の知覚、咽喉頭の感覚とも関係しますし、視覚は直接的な関わりこそないものの、鼻副鼻腔の疾患が視覚に影響を及ぼすこともあり、耳鼻咽喉科にかかることで失明を免れたということもあります。その他、音声によるコミュニケーション、嚥下機能など、人間が人間らしく生きる上でもっとも基本的かつ重要な機能を扱っています。つまり、耳鼻咽喉科医は「感覚器のエキスパート」であるといっても過言ではありません。

また、私たちは頭頸部外科医として顔面、口腔、咽喉頭、頚部の手術も手掛けており、頭頸部腫瘍・がん治療のエキスパートとしての側面もあわせ持っています。狭い範囲に様々な機能を持った器官が密集し、疾患も多種多様で治療法も内科的・外科的治療ともにバリエーションが極めて多いことが特徴です。

一歩その領域に足を踏み入れると、これまでには気づかなかった新しい世界が広がっていることにきっと驚かれるでしょう。

 

当科の特徴

香川大学耳鼻咽喉科学教室は少人数で切り盛りしている小さな医局です。まあ、「下町ロケット」にでてくる佃製作所のようなものでしょうか。でも、大企業である帝国重工に負けないように、きらりと光る何かを見つけようと、日々がんばっています。耳、鼻、のど、頭頸部とそれぞれのチームは少ない人数ですが、耳鼻咽喉科の全分野をカバーする高度な医療を提供しています。香川県は「うどん県」で有名になりましたが、日本で一番小さな県でもあり、香川県下の基幹病院と非常に緊密な連携が取れているため、県内の最終砦としていつでも患者さんの受け入れができる体制が整っています。また、学会活動や論文発表にも力を入れており、6年次のクリニカルクラークシップに参加してくれたstudent doctorはもれなく学会に同行してもらい、私たちの活動や耳鼻咽喉科という領域の理解を深めてもらう機会を作っています。卒後臨床研修で当科に来てくれた医師たちには、学会に参加するだけではなく、学会発表も経験してもらい、医師としてのモチベーションアップを図っています。当科のスタッフはキャラの立った人たちが多く、それぞれが自由に行動していますが、みな一様に面倒見がよく、クリクラの学生たちも実習中に誰かのファンになってくれることが多いです。目下の悩みは、少数精鋭といえば聞こえが良いですが、おのずと限界があります。香川県の医療、さらには県をまたいだ周辺地域の医療を高いレベルで充分に支えていくためには現在の倍くらいの人数が必要だと率直に感じています。逆に言えばそのくらいの多数の症例を少ない人数でこなしていると言えます。皆さんが十分な経験と研修を積む土台があるということにもなりますし、実際に当科で研修している専攻医のレベルは間違いなく全国でもトップレベル(耳鼻咽喉科医といった垣根を超えても相当すごい)だと自負しています。

PICCを入れる風景(by 初期研修医)

手術解剖実習