[咽喉頭がんの低侵襲手術って?]
頭頸部がんの基本手術は、頸部にメスを入れてがんを切除することです。しかし、咽喉頭がんについては、頸部にメスを入れずにがんを切除することが可能な場合があります。がんのできた場所や広がりなどを正確に把握し、特殊な開口器(口を広げる器械)と内視鏡を駆使することで口からがんを切除できるケースもあります。患者さんへの負担を減らすことができる内視鏡手術の方が、咽喉頭がんに対する低侵襲手術と言えるでしょう。内視鏡手術の方法については2種類あり、 TOVS(トランスオーラルビデオラリンゴスコーピックサージェリー)・ ELPS(エンドスコーピックラリンゴファリンギアルサージェリー) と言います。TOVS・ELPS は咽喉頭がんの約30%に適応があり、特に早期がんについては良い方法と言えます。私たちは適応のある患者さんには積極的にTOVS・ELPS という低侵襲手術を行っています。
2018年に咽喉頭腫瘍手術に対する手術支援ロボットda Vinciシステムの薬事承認手続きが進められ、2019年より頭頸部外科学会の主導のもと、ロボット支援手術実施に向けた準備が進行しています。当科でもトレーニング受講の途中まで進んでおり、できるだけ早い時期での手術実施を目指しています。